「お薬手帳」を身近に感じて利用してもらおうと、新潟デザイン専門学校(新潟市中央区)の生徒が表紙のデザインを考えた。伝統柄を配置して和の雰囲気をつくったり、真っ青な空と雲を描いたりするなど個性的な作品が出来上がった。調剤薬局を運営するM・エイド(同市江南区)との連携企画で、同市と燕市の薬局8店で2月から患者に配布される予定だ。
同校の生徒27人は昨年の夏ごろから制作に取り組んだ。授業の中で薬の重複やよくない飲み合わせの防止だけでなく、アレルギーや副作用歴の確認、災害時の治療継続にも役立っていることを調べた。
一方で、内閣府の2020年の世論調査によると、お薬手帳の全体の利用率は71.1%だが、年代別では生徒と同年代の18~29歳の利用率が59.2%と低いことも知った。全体の利用率アップを目指し、生徒たちは「ずっと持っていたくなるデザイン」をテーマに制作した。
完成した32点から、M・エイド内の投票で選ばれた5点が採用された。かわいらしいネコが「ボクも一緒につれてって」というメッセージを持つ作品が採用された齋藤彩乃さん(23)は「これまでお薬手帳に思い入れはなかったが、制作して愛着がわいてきた」と話した。
M・エイド取締役の堤文範さん(39)は「お薬手帳は非常に大事なものだが忘れやすい。『自ら持ちたい』と思えるものを描いてもらえた」と感謝していた。
写真=お薬手帳の表紙に採用された作品を持つ新潟デザイン専門学校の生徒(新潟市中央区)
(2022/01/13 新潟日報掲載)
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