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明日野家が聞く・健活インタビュー「変形性股関節症」

  • ma-hara3
  • 3月26日
  • 読了時間: 4分

 ちょっと気になるあんな病気、こんな症状ー。

 明日野家の面々が県内の医師を訪ね、病気の特徴や治療、予防のポイントについてインタビューしてきました。明日からの健活にきっと役立つはずです。


軟骨減り 足の付け根痛み 手術有効

明日野家が聞く | にいがた健康寿命 | 新潟日報

 軟骨がすり減ることで痛みが出て、歩くのがつらくなってくる「変形性股関節症」。女性の患者さんが多いと言われるこの病気の症状や治療などについて、新潟市の新潟万代病院・宮坂大院長に聞きました。

(明日野 康子)


 



みやさか・だい 2002年、新潟大学医学部卒。県立新発田病院や済生会新潟第二病院などの整形外科に勤務。新潟大学医歯学総合研究科機能再建医学講座整形外科学分野助教などを経て、18年7月、新潟万代病院関節再建センター長、24年6月からセンター長兼現職。博士(医学)。日本整形外科学会専門医、日本CAOS学会世話人、日本股関節学会評議員、日本人工関節学会。






 


―「変形性股関節症」とは、どんな病気ですか?


 股関節は骨盤の一部でカップ状のくぼみ(寛骨臼)に太腿の骨(大腿骨)の球状の骨頭がぴったりと収まる構造になっています。寛骨臼と骨頭の表面は関節軟骨で覆われているため、骨同士が直接こすれず、スムーズに動かせます。その軟骨がすり減ることで骨が変形し、痛みが出る病気が、変形性股関節症です。

 7~8割の日本人は寛骨臼が小さい「寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)」で、体重を支える部分が少ないため、そこへの負担が大きくなり、軟骨がすり減り変形します。女性に多く、40代から痛みが出始める人が多いですが、10代で出る人もいます。最初は動かし始めに痛みを感じますが、進行すると就寝時も痛み、動きが悪くなり、日常生活に支障を来します。

 動き始めや歩行時に足の付け根に違和感や痛み、外れそうな感じなどがあれば、整形外科を受診してみてください。



―どんな検査、治療をしますか?


 X線(レントゲン)を撮り、股関節に変形がないかを調べます。より詳しい検査が必要であればMRIなどを撮影し精査します。

 治療は、肥満の解消や歩行時の杖使用などで股関節への負荷を減らし、痛みや炎症を抑える薬を処方します。それでも痛みが取れない、動きが良くならない場合、希望があれば手術をします。

 軟骨がすり減り、骨に変形がある場合は、骨盤側の受け皿にカップ、大腿骨側にステムという人工関節を入れる手術「人工股関節置換術」を行います。当院整形外科「関節再建センター」では、CT―basedナビゲーションやロボティックアーム手術支援システム「Mako(メイコー)」を使って手術をします。ナビゲーションは、医師がCTから三次元的に計画した削る部分を画面でナビゲートするもので、それを見ながら医師が削ります。ロボティックアーム支援手術は、医師が操作するロボットアームが削ります。カップの位置や角度が重要な手術ですが、ロボットは0.5ミリ、0.5度単位で調整でき、指定部分以外は削らないので、安全、正確に人工関節を設置できます。しかも、当院のロボットによる治療は保険診療で受けられます。


新潟万代病院にある手術支援ロボット「Mako」と堂前洋一郎医師(右)と  宮坂大院長
新潟万代病院にある手術支援ロボット「Mako」と堂前洋一郎医師(右)と 宮坂大院長


 















 手術時間は1時間半ほどで、入院期間はリハビリも含めて約10日間。術後の動作制限はなく、正座や軽いスポーツなどもOKです。65歳くらいで手術を受ける人が多いですが、90代で受けた人もいます。今の人工関節は30年ほど持つと言われていますし、痛みが取れて動けるようになるので「怖がらずに、もっと早く手術すれば良かった」という人がほとんどです。

 軟骨のすり減りがない寛骨臼形成不全には、自分の骨で手術する「骨切(こつき)り術」を行います。



 ―予防方法はありますか?


 一番大事なのは股関節回りの筋肉を硬くしないこと。ストレッチをして予防しましょう。そして、筋肉を使うことも大切です。普段から歩幅を少し大きくして歩くと、たくさんの筋肉を使うことができます。足が組めなくなっている人は要注意なので、ストレッチをしてください。

 関節は年齢とともに衰えます。一生、自分の足で歩いて生活するために、自分の股関節の状態を把握し、ストレッチをして、よく関節を動かすことを心掛けましょう。

 関節が痛くて歩けない、それが原因で日常生活に制限があるのはもったいない。痛みでお困りであれば、手術も一つの選択肢に挙げてもいいと思います。











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