8月29日糸魚川でNIC健康セミナー開催
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8月29日(土)、糸魚川市の糸魚川市民会館で、地域の医療や介護について知識を深める「NIC健康セミナー」(NIC新潟日報販売店グループ主催)が開かれました。会場には約70人が訪れ、医療関係者のアドバイスを熱心に聞いていました。


第1部は、糸魚川総合病院の山岸文範院長のほか、同病院地域連携室長の圓谷朗雄医師、特別養護老人ホームみやまの里の谷口修ユニット棟ホーム長、糸魚川市福祉事務所の山岸千奈美所長の3人のパネリストが「糸魚川市民の暮らしを守るため ~地域医療構想の、その先へ~」と題してシンポジウムを行いました。
山岸病院長は、上越、妙高、糸魚川3市の「上越医療圏の再編」について「急性期治療の新中核病院となる県立中央病院(上越市)から、糸魚川総合病院などに医師・看護師を派遣する体制に移行する方向です」と、早ければ2028年度から実施される地域医療構想を説明。機能を分けながら体制維持を図っていくことを示しました。その上で「10日間入院すると7年分の筋肉を失うと言われています」と厳しい指摘をした上で「入院したら安全ということではなく、その後の介護も念頭に、自宅での生活、医療を考えていきましょう」と呼び掛けました。
圓谷医師は「これから医療と住民が強力なタッグを組む『糸魚川モデル』をつくって、住民の皆さんに健康管理など自助の意識を持っていただき、医療側は在宅やリハビリ支援で『院外でのサポート』が不可欠になってきます」との見通しを指摘しました。
谷口ユニット棟ホーム長は、介護現場の働き手不足は他職種との月収格差に原因があると指摘。自身の職場では何とかこなしているものの、人材不足分を「ケアプランの作成でデジタルやAIを使い、シニア人材の活用で運営しています」と現状を説明しました。しかし「このままでは介護サービスは徐々に縮小していく可能性が大きい」と語りました。
山岸福祉事務所長は「糸魚川市の介護に関わる人員はギリギリまかなえていますが、60歳代が約3割もいて、70歳代が7.7%で高齢者に支えられている厳しい状況です」とした上で「団塊の世代の子どもたちが85歳になる『2040年問題』があります。介護の必要な方々が大幅に増える前に、介護と医療の現場が連携を取り合う『地域包括システム』を深めていく、『深化』させていくことが不可欠です」と力説しました。
3人のパネリストの発言を受け、山岸病院長は「福祉、介護、医療の三つの連携はこれまでにはなかった。2040年を見据えて、市民の皆さんを含め、地域の将来を真剣に考えていく機会としたい」と総括しました。
第2部は、糸魚川総合病院整形外科部長の徳永綾乃医師が「変形性ひざ関節症を知ろう」をテーマに、症状や治療法などについて分かりやすく講演しました。

徳永医師は「ひざの痛みは整形外科外来受診のトップ3に入ります。1番目は腰痛、2番目が肩こり、3番目がひざの痛みです」と指摘。変形性ひざ関節症は、加齢でひざの軟骨がすり減り、痛みやはれ、曲げ伸ばしの制限が出て、ひざの変形が起きる病気」として①初期は立ち上がった時、痛い。歩き始めにひざが痛いが休めば取れる②中期は歩くと痛くて正座ができない。階段の昇り降りができない③さらに進むと、ひざがまっすぐ伸びない。歩くことができない。日常生活が不自由になり、つえを使わないと歩けない―と進行具合を示しました。女性の患者が男性の倍ぐらいで、全国で予備軍を含めて2530万人、糸魚川市では約1万1000人いるといいます。
ひざの痛みの予防方法としては、1番目に適切な体重を保つこと、2番目、ひざの動きを良くすること、3番目は足の筋肉を鍛え、ひざの安定化、負担軽減を目指すことを挙げました。
適切な体重を保つことは肥満度(BMI)25未満に抑え、体重をコントロールするためのウオーキング、水中ウオーキング、自転車などの有酸素運動が有効だと語りました。
ひざの動きを良くする運動に関しては「お風呂の中ですることも有効で、筋肉もリラックスします。太ももの前の筋力を鍛える運動です」として、徳永医師は立ったまま実際にやってみて、会場の参加者も座ったまま実践しました。ひざをピンと伸ばす動きを1日3回10セットするよう呼び掛けました。「足がプルプルするくらい伸ばすのが大事」ということです。
保存治療として、説明してきた運動療法、痛みを和らげる薬の服用、関節内のヒアルロン酸の注射などを示しました。
手術について、「整形外科として、亡くなる3日前まで自分でトイレに行けることを目指しています」として、人工関節にする手術などを例示。「正座はできませんが、痛みが減りますし、足がまっすぐになるということで満足度の高い手術の一つです」「ひざの痛みが続く場合、日常生活が不自由になってきた場合は整形外科を受診してください」と語りました。

第3部は「糸魚川市からの健康情報」として、糸魚川市健康増進課の保健師、佐藤恵さんが介護に入る前の「フレイル予防」について解説しました。
佐藤さんは「健康の状態からいきなり要介護の状態になるわけではなくて、その間に体力や記憶が少しずつ低下するフレイルという状態があります。フレイルは、年齢とともに少しずつ気力や体力が落ち、健康な状態と要介護の状態の間を指します。この状態で、以前より歩くのが遅くなったとか、外出する機会が減った、食事の量が減ったといった変化が積み重なって現れてきます」と説明。生活習慣病の管理と足腰の健康を保つことの両方が重要になってきているとして「血圧に注意してしっかりと栄養を取ること。適度な運動をして転倒や骨折を防いでほしい」と呼び掛けました。
講演終了後は、参加者が「もの忘れ度チェック」「血管年齢測定」などの検査を受け、自身の健康状態を確認していました。

次回のNIC健康セミナーは10月17日(土)、新潟市中央区の新潟日報メディアシップで行います。続いて同月24日に、聖籠町の聖籠町公民館(聖籠町大字諏訪山)で開催します。開催地域では折込チラシなどでご案内します。ご参加をお待ちしています。


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