top of page
タイトル_3x.png

「健康寿命日本一」を目指す県民応援プロジェクトは4年目を迎えた。ことしのテーマは「食から始める健活ライフ」。生活の基本である「食」を見直すことによって、自分が、家族が、そして地域が活気あふれる日常が過ごせるように。新潟県立大学・健康栄養学科の村山稔子准教授とともに、身近なテーマに沿って考えていきます。

村山先生3_3x.png
アセット 5_4x.png

 年を取って体力、気力が低下して、要介護の状態に近づいてしまうことを「フレイル」と言います。心理的なことや孤立、孤食で事態が進むこともあります。できる限り自分の足で歩き、できることは自分の力でやるためには…。主に食生活では、どんなことに気を付けて過ごしていけばいいのでしょうか。

進行_4x.png

◎心身が弱って陥るフレイル
 予防のポイントは栄養状態

 フレイル(虚弱)とは、加齢とともに心身の活力が低下した状態のことを指します。「健康」と「要介護」の中間地点で、放っておくと要介護状態になる可能性が高まります。

 要因として、孤独、閉じこもりなどの「社会的フレイル」、うつや認知症などの「精神・心理的フレイル」、運動機能の衰えや筋肉量の減少などの「身体的フレイル」が挙げられます。特に75歳以上の方は、フレイルの傾向にあるのかを定期的に確認してみるとよいです。厚生労働省が作成した、後期高齢者用の15項目の質問票で、右側の回答にチェックが付く項目が多いほど要注意です。左側の回答になるように定期的にチェックしましょう。

フレイルチェック表.jpg

 ただ、フレイルは適切に対応することで、要介護状態への悪化を予防し、回復も可能です。ボランティアや趣味などの社会参加をはじめ、身体活動などの運動や、食事をしっかり取ることが重要です。

 フレイル予防のポイントは栄養状態の維持です。高齢になると、少食になったり、料理を作ることが大変になったり、買い物に行くこと自体が難しくなったりすることも。実は、加齢とともに筋肉量は減りやすくなります。体力が低下し、活動量が減ると食事量も減りがちです。この状態が続くと体に必要なエネルギーやたんぱく質が不足し、体重や筋肉量が減少します。さらに低栄養が進んでフレイルに陥ってしまうという悪循環になります。

◎1日3食とることが基本
 7種類以上を少しでも

 フレイル予防の食事のポイントは、毎日3食きちんと食べること、そして毎食、主食、主菜(たんぱく質の多いおかず)、副菜(野菜中心のおかず)をそろえるよう心掛けることです。いろいろな種類の食品を取ることも大切です。肉、魚介、卵、大豆・大豆製品、牛乳、緑黄色野菜、海藻、いも、果物、油脂(マヨネーズ・炒め物・揚げ物など油を使った料理)の10種類から、少量でもいいので、1日の中で7種類以上を食べることをお勧めします。例えば、ご飯とみそ汁や残っていたおかずを組み合わせた時に、野菜ばかりで主菜がなければ卵や豆腐、ツナ缶などといった手軽でたんぱく質の多い食品を追加するとバランスがよくなります。

 毎食、これらの食品を使った料理を作るのが大変であれば、スーパーなどの総菜や冷凍食品、レトルト食品、宅配弁当などを活用するのもよいと思います。また、1回の食事量を増やせない人は、間食にヨーグルトなどの乳製品や果物を取るのもよいですね。ドラッグストアなどで購入できる少量でエネルギーやさまざまな栄養素を含む栄養補助食品も利用してみるのもよいです。

 いろいろな食品を食べるには、かむ力や飲み込む力を維持する必要もあります。かんだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能が衰えることを「オーラルフレイル」と言います。オーラルフレイルは、低栄養に関連し全体のフレイルの前兆とも言われています。よくかんで食べることは、かむ力の衰えを防ぎフレイル予防につながります。口腔機能に衰えを感じたら、早めに歯科を受診しましょう。

 

 糖尿病や高血圧などを長く患ってきた高齢者の中には、食べ過ぎないように気にするあまりに栄養を取ることをためらい、むしろ体重を減らしてやせがよいと思っている人もいるかもしれません。やせてしまって低栄養の状態になってしまうことは、すべての病気に悪影響を及ぼします。病気の症状は薬でコントロールできたとしても、低栄養は栄養を取らずに薬だけで治療はできません。しかも、じわじわと進むので気付きにくいです。家族など周りの人も気を配るようにしましょう。フレイルとして気になる症状があれば、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談することをお勧めします。

10品目

◎バランスのいい食事は最強
 健康寿命を延ばしましょう

 1日3食きちんと食べて、主食、主菜、副菜をそろえることがバランスのよい食事の基本であり、フレイル予防はもちろん、免疫力や適正体重の維持などにもつながります。高齢者だから粗食でいいわけではありません。体の変化を「年のせい」と思わず、気付いたところから改善し、健康寿命を延ばしていきましょう。

bottom of page