

「健康寿命日本一」を目指す県民応援プロジェクトは4年目を迎えた。ことしのテーマは「食から始める健活ライフ」。生活の基本である「食」を見直すことによって、自分が、家族が、そして地域が活気あふれる日常が過ごせるように。新潟県立大学・健康栄養学科の村山稔子准教授とともに、身近なテーマに沿って考えていきます。


高血圧や生活習慣病のリスクを高めると言われる食塩。必要ではあるものの、過剰に摂取すると健康を害して、毎日を楽しく過ごせなくなってしまいます。おいしい食事を重ねて、生き生きと暮らせるために、「減塩」ではなく、前向きに取り組んでいく「適塩のススメ」とは―。
◎新潟県民の食塩摂取量は
全国平均を上回っています
「ナトリウム」は、体の水分量やミネラルバランスを調整する必須ミネラルの一つで、体内で合成することができないため、食事で取る必要があります。
主に食塩として取ることが多いですが、実は多くの新潟県民が取り過ぎています。厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」では成人の1日の食塩摂取量は男性7.5㌘未満、女性6.5㌘未満を推奨しています。しかし新潟県民では、1日当たりの成人の平均食塩摂取量が男性11.2㌘、女性9.2㌘と、男女とも目標量を上回っています。食塩の取り過ぎは高血圧や胃がん、脳血管疾患、認知症などを引き起こすといわれています。食塩を取り過ぎると、体内のナトリウムと水分量を調整するために血液量が増え、高血圧になります。その状態が続くと、次第に血管が硬くなり動脈硬化を引き起します。動脈硬化は、脳梗塞などの脳血管疾患や心筋梗塞などの心疾患の原因になります。新潟県でり患率が高い胃がんは、食塩の取り過ぎによって胃の粘膜が炎症を起こしやすくなることも原因の一つと言われています。加えて、腎疾患、骨粗しょう症、認知症との関係も指摘されています。高血圧や慢性腎臓病の食事療法では、重症化予防として食塩摂取量は1日6.0㌘未満を目標としています。

◎食習慣をチェックして
塩分の取り方を見直して
まずは、自分がどのくらい食塩を取っているかを知ることが大事です。「塩を取り過ぎ新潟県民の10の食習慣」をチェックしてみましょう。当てはまる項目が多いほど塩の取り過ぎになります。麺類を食べる頻度や、麺類の汁をどのくらい飲んでいるか?濃い味付けが好きで、しょうゆなどをたっぷりかけていないか?など普段の食べ方を振り返ってみましょう。急に目標量まで減らすのは難しいので、チェックシートで当てはまる項目の改善に向け、少しずつ食習慣を変えていくことがポイントです。たとえば、麺類の汁を飲んでいた人は残す ようにして、濃い味付けが好きな人は、減塩調味料や減塩食品を使ってみるとよいです。風味は変わらず、食塩相当量は通常の半分以下のものが多いです。しょうゆ差しをスプレータイプのものに替えるのも有効です。
チェック項目のほかに栄養成分表示を見ることもお勧めです。食品中に含まれている食塩相当量が表示されています。パンや麺にも食塩が入っています。ご飯そのものは食塩0㌘ですが、おにぎりの具材によって食塩量が違ってきます。何気なく食べていた食品に、どのくらい食塩が含まれているのか、表示を見て確認してみましょう。
◎「適塩」を心掛け
今日からおいしく健康に
年齢や性別、活動量によって適切な食塩量は異なります。一人一人に適した食塩量で、よりおいしく食事をする「適塩」を心掛けることをお勧めします。
血圧は年を取ってから急に上がるものではありません。若い時から注意することが重要です。今から1日1㌘減らすことから始めてみましょう。それができたら1食3㌘以内を目指します。ご飯物と麺類というように主食を重ねて食べること多かった人は、ど ちらかを野菜料理に替えると、食塩だけでなく栄養素のバランスも整います。煮物や濃い味付けの料理ばかりの組み合わせになっている人は、サラダ、酢の物、おひたし、揚げ物といった食塩が少なくてもおいしい料理を取り入れるようにするとよいです。みそ汁は、具をたくさんにすると味の濃さは同じでも、汁が少なくなるので食塩は少なくすることができます。食塩が多い食事をしたら次の食事や次の日に控えることで大丈夫です。
トータルでバランスを見て、無理せずできることから、おいしく「適塩」を取り組んでみませんか?



