医療や介護について専門家から学ぶ「みんなの医療・介護 NIC健康セミナー」(新潟日報販売店グループ主催)が7月6日、五泉市の市立図書館で開かれました。五泉中央病院の髙橋姿院長、同病院内分泌・代謝内科の山田絢子医師、五泉市健康福祉課の加藤夕紀子保健師が登壇。約70人の参加者を前に、地域医療の役割や、糖尿病に対するスティグマ(偏見や差別)の解消などについて語りました。
髙橋院長は、全ての団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」や医師・看護師不足など地域医療の課題を挙げ、「住民の健康を維持するのは医師だけでの仕事ではない。皆さん自身が気付き、実践しないと健康寿命は延びない」と呼び掛けました。
その上で、病気の治療や救命を行う「医療モデル」とQOL(生活の質)向上を図る「生活モデル」を組み合わせ、住民の健康を守る地域医療の役割を説明。「退院する患者さんを介護、福祉へつなげることが大切」と力を込めました。
また、山田医師は、「糖尿病は不摂生な人がなる病気」「糖尿病は治らず、長生きできない」という誤った認識があると指摘。尿など否定的なイメージが持つ名称の変更や正しい知識を発信することで、「負の烙印(らくいん)と決別できる」と訴えました。
「糖尿病の人は治療のために生きているわけではない。よりよく生きるために治療を行っている」と山田医師。「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を8%未満にする」など前向きに目標を設定し、成功体験を積み重ねることが、患者の行動変容につながることを強調しました。
加藤保健師は、市民アンケートの結果を踏まえ、塩分摂取量の多さや野菜不足、働き盛り世代や若者の運動不足といった生活習慣の傾向を報告。早期発見・予防のため特定健診の受診を勧めたほか、市内を散策する「おはようウォーク」や「健康運動教室」、血糖値をテーマにした「スマートライフセミナー」といった取り組みを紹介しました。
セミナー終了後の健康相談会では、「血管年齢測定」と「物忘れ度チェック」が行われ、参加者は自身の健康状態を確認しながら、薬剤師からアドバイスを受けていました。
次回のセミナーは8月31日、南魚沼市のふれ愛支援センターで開催予定です。お近くの方は、ぜひご参加ください。
Comentarios