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健診医が考える健康へのアプローチ




循環器内科医として、心不全や血管再生治療をしていたときは、動脈硬化性疾患の終着駅にあたる心臓疾患や血管疾患の患者をたくさん診てきました。そして、15年前、大学を辞める時に、思い切って健康診断、人間ドックの世界に飛び込みました。格好よく言えば、終着駅に至らぬように始発駅の段階できちんと生活習慣を見直し、幸せな旅をずっと続けられるように導ける仕事に携わりたいなと思ったことと、もう少し研究を続けたいなと思ったことがきっかけです。






新潟県労働衛生医学協会理事

新潟大学大学院生活習慣病予防・健診医学講座特任教授

加藤公則           

                    

 

「労災二次健診」を踏まえた生活指導


 さて、僕が健診医の仕事の一つとして、労災二次健診の結果を説明し、かつ生活指導をするというものがあります。これは、肥満、血圧異常、脂質異常、糖異常の全てがそろった人に対する検査と指導で、全員に心エコーと頸動脈エコーを行って、その結果を元にやせるための指導をするものです。心エコーで異常がある人はすごく少ないのですが、頸動脈エコーで異常がある人、つまり頸動脈に動脈硬化が認められる人が結構いらっしゃいます。そのような人には、超音波検査で得られた画像を見せながら、説明します。人間って、不思議なもので漠然と説明されてもあまり身につまされませんが、画像を見せると結構心に響くみたいで、やせようとか、この血圧はきちんと薬を飲もうとか、タバコはやめたいなんて思ってくれる方が、多くなる印象があります。最近、新潟青陵大学大学院の菊地綾さん、中平浩人教授にその労災二次健診の結果を解析していただき、特定保健指導と変わらぬ効果があることを証明していただきました。大変、うれしく思っております。これを糧に、また保健指導を頑張りたいなと思っております。


 

肥満の人との話し合いを通して


 僕は、もちろん内科の外来も行ってますので、肥満者などに指導もします。しかし、外来では待っている人がいっぱいいますので、指導といっても3分程度しかできず、満足いくものではありません。しかし、この労災二次健診では、少なくとも20分程度は、肥満者と話し合うことができます。それは、医師としての僕にとっても大変、勉強になる瞬間でもあります。人は、なぜ太るのか、なぜ肥満を少し克服できたのか、その人の経験を聴くことが最も勉強になるし、それを応用して指導に役立てることができます。そして、僕が一番うれしい瞬間は、僕の言っている健康への考え方が相手の心に響いたことが分かった瞬間かなとも、思ってます。

 

やせるのは難しいけれど


 そんな事を言っている僕ではありますが、ずっとBMIは25をキープし、腹囲は85cmでジャスト肥満です。やせるのは難しいということでもあります。でも、やせる努力は大切で、僕の日課は、土日の早朝6時半ぐらいに家族と散歩に出かけることです。写真は、早朝の春の上堰潟公園です。早朝なら、人もいないし、空気は気持ち良くて、写真は撮り放題です。人は、運動をして歯を丈夫に保ち、毎年キチンと健診を受けて下されば、かなり健康寿命を延ばすことができるのではないかと思ってます。


   (2024.4 5掲載)


散歩にぴったりな早朝の春の上堰潟公園

 

かとう・きみのり
1963年、本県出身。新潟大学医学部卒。医学博士。同大学医歯学総合病院第一内科などに勤務後、新潟県労働衛生医学協会を経て、2014年より現職。専門は、循環器内科学、健診・人間ドック学。日本人間ドック学会理事、新潟県労働衛生医学協会理事。

次回は加藤先生が新潟大学で同級だった林達彦先生(村上総合病院下越ブロック統括院長)を予定しています。


協力:株式会社メディレボ










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