top of page

健康経営サポート会員 第2回オンラインセミナー

 健康経営サポート会員を対象とした第2回オンラインセミナーが8月22日、開かれました。今回のテーマは「運動」。社員の運動促進を柱に積極的に健康経営に取り組む県内外の企業関係者が講師となり、先進的な事例を紹介しました。



県内先進事例

(株)シアンス

新潟市中央区

●情報通信業(ITソリューション、システム開発、Webサイト制作)

●従業員60人

(株)シアンス 野口一則 代表取締役社長

ウオーキングイベントで健康を増進


平均年齢は34歳で女性が3分の1を占めます。結婚、子育て世代である20代、30代が66%と多いのが特徴です。若手社員は家族との時間を大切にする「ライフ重視型」、精いっぱい働きたい「ワーク重視型」などさまざまで、社員一人一人の価値観は多様化しています。

 働き方改革、健康経営、「ウェルビーイング」(幸福度)を重視した幸福経営は経営上の重要課題であり、社員一人一人を「最大の財産」と捉えています。働き方改革では深夜労働、休日労働を禁止し労働時間を適正化。裁量労働制やテレワークなど多様で柔軟な働き方を導入しています。

 2018年から取り組む健康経営は、運動、睡眠、健診・予防の三つを重視しています。「毎日2㍑の水分を摂取する」など全社員が健康づくりの個人目標を設定したほか、インフルエンザの予防接種補助なども行っています。

 中でも「シアンス・ウォーク」は春と秋の年2回実施し、直近の参加率は66.7%と上がっています。もともと、IT業界はデスクワークの時間が長く、運動不足になりがち。歩くことを通し、心身の健康維持、増進を図ることが目的です。自由参加であり、強制はしません。私自身も毎回参加し、楽しく歩いています。

 過去の平均歩数でクラス分けし、2~4週間、歩数の増加率をスマホのアプリや歩数計を使い競い合います。各コースの上位3人には賞品を贈り、表彰式で健闘をたたえ合います。次回10月の開催前には、プロのトレーナーを招いたウオーキング教室も計画しており、参加率75%、1人の平均歩数7500歩を目指します。

 健康経営に取り組むことで社員の生産性は高まり、会社の業績は向上しています。うれしいことに18年に比べ22年の経常利益はおよそ2倍に、売上高も右肩上がりです。

 働き方改革、健康経営、幸福経営が三位一体となり、社員のさらなる心身の健康維持、増進を図りながら、働きがいを持てる職場づくりの実現を目指します。

 

県外先進事例

ダイヤ工業(株)

岡山県岡山市

●医療用品製造販売業

●従業員109人(パート含む)

ダイヤ工業(株)

藤原 舞利子 広報部門部門長

       (健康づくり委員会)

健康寿命延伸へ運動器年齢を毎月把握

コルセットやサポーター、アシストスーツなどの医療用品を開発、製造、販売する会社です。主に接骨院や鍼灸(しんきゅう)院に通信販売で商品を販売しています。

 健康経営のメインとなるのが、月1回の「運動器年齢」のチェックです。運動器とは、関節や筋肉、バランス感覚など体を動かす機能の総称であり、同じ年代の人と比べ、どれだけ実年齢と差があるか比較します。従業員の平均年齢33歳(2022年度)に対し、運動器年齢は29.1歳と、実年齢より3.8歳も若い結果でした。

 測定項目は7種類。目の前に棒を落とした時の反射までの時間や、腕を前に組み、どのくらい低い椅子から片足で立ち上がれるかなどを測り、記録していきます。

 測定結果を入力すると運動器年齢やサルコペニア(筋肉量の減少)度などが判定されます。自分の運動器年齢を把握するとともに、個人別のトレーニングメニューも示されます。このシステムは接骨院や鍼灸院向けに当社が開発しました。

 また、理学療法士や管理栄養士の資格を持つ従業員が講師となり定期的に研修を実施。卓球台などを置き、運動しながらコミュニケーションが取れるようにしています。従業員が積極的に行動していることが特徴です。

 さらに、ワークライフバランス向上にも力を入れています。残業時間は月平均3.1時間(22年度)と前年度より減り、所属長と情報を共有することで特定の人に負担が偏らないよう抑制しています。また、子育て中の女性の約6割が短時間勤務を利用しており、仕事と家庭の両立を支援しています。

 健康経営を通じて、従業員もお客さまも笑顔になるような取り組みを行っています。


参加企業へのアドバイス

野口氏 無理をしても長続きはしません。取り組みがマンネリ化しないよう、常に工夫が必要です。

藤原氏 従業員が楽しんで取り組めることでないと、定着はしません。従業員同士のコミュニケーションはとても大切です。


健康経営

ここがポイント

トップ自らが参加し推進

ボトムアップでもトップの理解は必要

働き方改革も推進













bottom of page