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明日野家が聞く・健活インタビュー「緩和ケア」

  • ma-hara3
  • 2025年12月16日
  • 読了時間: 4分

 (2025/12/17)

ちょっと気になるあんな病気、こんな症状ー。

 明日野家の面々が県内の医師を訪ね、病気の特徴や治療、予防のポイントについてインタビューしてきました。明日からの健活にきっと役立つはずです。



緩和ケアこそ 終末期じゃない 生き抜くため


明日野家が聞く | にいがた健康寿命 | 新潟日報

 「がん」や激しい痛みを伴う症状がある病気にかかっている人は、「少しでも楽になりたい」と願い、治療に臨みます。そんな人たちに手をさしのべてくれるのが「緩和ケア」に携わる人たちです。新潟市民病院で医療チームとして患者と向き合う緩和ケア内科の田中萌生先生に、緩和ケアの大切さを聞きました。


たなか・もえぎ 

 2006年、徳島大学医学部卒業後、同大学病院麻酔科入局。08年、京都府立医科大学疼痛緩和医療学教室に勤務し、ペインクリニックと緩和医療を学ぶ。新潟大学医歯学総合病院麻酔科を経て、20年から現職。医学博士。日本緩和医療学会専門医、日本ペインクリニック学会専門医、日本麻酔学会専門医。








知り合いががんになって「緩和ケア」を受けるんですけど。もう 治らないから緩和ケアなの?


 いいえ。病気が治る、治らない、と緩和ケアを受診するということは全く関係ありません。緩和ケアとは、命を脅かすような病気による体や気持ちのつらさを和らげるための医療やケアのことです。例えば、がんと診断されたら、その衝撃で苦痛を感じると思います。その時点で痛みがある人もいるでしょう。治療が始まれば、薬や放射線治療の副作用による症状が出る人もいます。そういったことを全て和らげる。さらに、病気に伴う仕事や家庭などの不安や心配なども一緒に考えていく。それが緩和ケアです。

 病気と診断されると病気が人生の主になり、病気のために生きているようになってしまいがちです。そうではなくて、その人らしく生活しながら治療が続けられるように症状を和らげる。緩和ケアは苦痛を取るサポートをします。



 


いつから、どうすれば受けられますか?

 

 WHO(世界保健機関)は、「緩和ケアはがんの診断時から治療と並行して行うもの」と定義しています。進行してからではなく、「がんと診断された時からの緩和ケア」です。厚生労働省により、がん診療連携拠点病院には必ず緩和ケアチームが配置されています。当院はもちろん、県内のがんを治療する病院であれば、どこでも受けられます。通院、入院、自宅でもOKです。がん医療に関わる医師は一定の緩和ケアの知識を身に付ける研修を受けていることが多いので、基本的な症状を和らげる薬の使い方などを知っています。主治医の先生の対応で十分なら、それでいいんです。それでもつらい症状が続く時や、先生には言いにくい家庭や仕事、経済的なことなどの苦痛があれば、緩和ケアチームに声を掛けてください。

 当院では、緩和ケア内科医、精神科医などの各専門分野の医師、緩和ケア認定看護師、管理栄養士、薬剤師などの多職種のチームでケアしています。主治医の先生が緩和ケアの利用を勧めることがあります。これは、先生では解決できない問題を抱えていると気付いたから。見放されたのではなく、むしろよく見てくれているということ。当院では結構あることで、年間、新規で200件以上の相談があります。

 命を脅かす病気はがんだけではありません。心不全や腎不全などの慢性疾患なども対象です。それらの病気と診断されて緩和ケアを受けたい場合、主治医や看護師に相談してください。がんの場合では、ステージは関係ありません。ステージ1でも、痛みを感じる神経のところにがんができたら痛いし、手術によってできた傷が痛くて生活に支障が出ることもあります。そんな時は迷わず緩和ケアを頼ってください。

 緩和ケアを利用して苦痛を取りながら治療し、社会復帰した人も多いですよ。

 



―「緩和ケア=終末期」ではないんですね!積極的に使った方がいいですね。


 私たちが行っている緩和ケアは、治療に伴う副作用を軽減するサポーティブケア(支持療法)も含まれます。がん治療医が行う基本的緩和ケアだけでは対応できない苦痛を取るプロフェッショナルが、専門的緩和ケアを行う、私たち緩和ケアチームです。つらい症状を我慢しないでください。私たちを最初からうまく使ってください。

 ケアをする中で、余命宣告を受ける人もいます。その際、自宅に帰りたいという要望をサポートしたり、療養場所の選択に関わったりもします。主治医が緩和ケア病棟を勧めるのは、面会制限がなかったり、全室個室だったりして生活の場に近く、家族でいい時間を過ごしてほしいからです。見捨てたわけではありません。よりその人らしく生きてほしい。それが私たちの願いです。がんと診断された時から始まり、命の終わりまで寄り添います。終わった後の家族のケアも含めて緩和ケアなんです。

 2010年にアメリカ・ハーバード大学などのグループが発表した論文によると、転移を伴う肺がん患者で、早期から標準治療に加え、定期的に緩和ケアの専門家の診察を受けた人の方が、標準治療だけの人より生存期間が長くなりました。治療を頑張っている患者さんと伴走していけたらと考えています。






 
 
 

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