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山登りノススメ

  • ma-hara3
  • 10月7日
  • 読了時間: 4分
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(2025/10/7)

 コロナ禍で外出もままならない時期、山ならば人に迷惑も掛からないだろうと、しばらく遠のいていた山登りを復活させました。そのままどっぷりとはまってしまい、今では体重も減って、とても健康になりました。厳しい山登りではなくとも、自然に親しんで歩くことはとても健康にいいことだと再認識したので、それについてお話ししたいと思います。

 

       大日方医院院長 大日方一夫

 



 夢の南極で2回越冬


 大学生の時はワンダーフォーゲル部で登山や山スキー(今はバックカントリーと言います)に明け暮れていました。事実、クラスの集合写真にはほとんど写っていないことが判明しました。山に行っていて授業はサボってばかりだったと、反省しています。

それでも何とか卒業できて、外科医になってからは年に1、2回細々と登山を続けていました。

 そろそろ研修期間が終わりそうな時期になり、子供の頃からの夢であった南極観測隊員になりたい気持ちが抑えきれず、1993年11月から、昭和基地で医療担当隊員として越冬しました。

 もう決して2度目はないだろうと思っていたのですが、1回目に建設に従事した、昭和基地から約1000㎞内陸のドームふじ基地に対する思いが抑えきれず、2002年11月からドームふじ越冬隊長兼医療隊員として8名だけで越冬しました。低気温、低酸素、低湿度の世界で最も過酷な場所の一つと言われているところです。

 そんな過酷な場所で越冬したので、さすがにその頃は体も締まっていましたが、帰国後は新たに目覚めた海外旅行が主になり、次第に体重は増加しました。


 

 新型コロナで「復活」



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 そんな中、2020年3月新型コロナの流行で海外旅行は不可能になり、外出も

ままならなくなり、さらに体重は増加してしまいました。ここではたと気が付き、ひとりでの山登りは3密には該当しないので、人に迷惑を掛けることも少なく、再びせっせと山に登るようになりました。

 復帰はしたものの、初めのうちは増えた体重と衰えた筋力で、追い越されることも多く、毎回苦しい思いをして登っていました。昔から言われているように、「山登りの体力は山登りして鍛えるしかない」と、毎週のように登っているうちに、次第に追い越されることはほとんどなくなり、追い越すことも増えてきました。

 2022年には百名山を完登しました。学生時代からの継続なので、実に40年以上かかったことになります。

 とりあえず百名山を目標にしていたので、これで満足できるかと思っていましたが、さらに火がついてしまい、二百名山、三百名山に挑戦する気持ちになり、それまで以上に、休みはほぼ山に費やすようになり、現在に至っています。おかげで体重は10㎏以上減り、持病の生活習慣病も今では随分と軽快しています。

  


 キリマンジャロ登頂


 山登りの情熱は、もうすっかり学生時代に戻り、2023年正月にはアフリカ大陸最高峰のキ

リマンジャロに登りました。もともと登りやすい山ですが、これだけ山に登って鍛えていたので特に困難なこともなく登頂できました。

 ただ最近はクマが怖いし、人気の百名山と違って、二百名山、三百名山は登山口までも行きにくいし、行程も長く、険しいところが多く、登山者も少ないところも多く、日祭日でも1日中誰にも会わないこともあります。いつも単独行動なので遭難やケガには十分に気を付けています。このまま行けば来年には完登できると思っています。

 ここまでのめり込まなくても、健康のために登山はおすすめです。登山は究極の有酸素運動と言われています。それに自分の力量にあった、距離、標高、難易度、時期などを選べるのも良いと思います。

 最近は低山登山も人気ですし、フラット登山という言葉もできてきました。フラット=平坦(へいたん)ならば登山ではないとも思うのですが、頂上を目指すことだけが目的ではなく、無理せず、気持ちいい道を歩こうということのようです。人と競うのではなく、自然の中を思い思いのスタイルで歩くというのは実にいいことだと思います。

 それでも日頃から運動不足でとても無理という方は、まずは近所の散歩から始めて、少しずつレベルアップしていけば楽しく、健康に良いと思います。

  (2025.10.7掲載)


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【略暦】おびなた・いちお 1961年長野市生まれ。87年新潟大学医学部卒業、第一外科入局。93~95年日本南極地域観測隊・医療担当隊員で越冬。越冬中の隊員の骨密度の変化の研究で医学博士となる。202~04年ドームふじ基地越冬隊長兼医療担当隊員で越冬。08年五泉市に大日方医院を開業、現在に至る。

 次回は県立津川病院院長の原 勝人先生です。同じ五泉市東蒲原医師会でお世話になっています。地域医療の分野で有名な先生です。趣味のボウリングでも大活躍されておられます。

協力:株式会社メディレボ









 
 
 

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