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患者さんの情報共有と警察医
2007年から、新発田市の海岸に近い旧紫雲寺町で 、 夫婦で開業しています。当クリニックでは、プライマリ・ケア(病気やケガをした際に最初に相談する初期診療)を中心に、在宅医療、禁煙外来、発熱外来、予防接種などを行っています。今回は、普段患者さんの目に触れることの少ない「地域...

患者と家族に寄り添って
私は1988年に新潟大学を卒業し、1990年、荒川正昭先生が主宰なさっていた 新潟大学病院 第二内科に入局しました。荒川先生のお仕事ぶりは すさ まじいもので、「睡眠時間は3時間」などという うわさ もまことしやかに伝えられていました。「臨床、研究、教育の3本柱は、どれが抜...

“Think globally, act locally.” =標準を見据え、地域で行動=
関川村は新潟県の北東に位置し山形県小国町に接する自然が豊富な村です。人口は4,691人、高齢化率は45.5%(2024年12月末)であります。昨今は、村の大蛇伝説「大里峠」と1967(昭和42)年に起きた羽越水害の供養とをテーマに1988(昭和63)年から行われてきた「大し...

地域医療ってどんな医療?
私は今、新潟大学医学部で学生に地域医療を教えることを生業としています。また全国の医育大学で地域医療教育を担当する講座が連携して結成した一般社団法人全国地域医療教育協議会の理事長も拝命しています。一方、県内の医療機関でも内科医として助勤という形ですが働いていて、一時期は「へき...

病院が地域の学びやに
患者さんの特徴は… 上の図はある地域の1000人の住民にどのような健康問題が発生するかを調査したものです。医療機関を受診する307人の一部は救急受診したり入院治療が必要になったりする方もいます。私は魚沼市(人口約3.3万人)の市民病院に勤めています。自治体の基礎医療を担う...

生活のバイタルサイン
血圧など変化に注目 皆さんが病院や診療所に 行 くと、血圧を測ったり、体温を測ったりすることと思います。血圧体温は、バイタルサインといわれるものの一部です。バイタルサインとは、生命兆候といい、血圧、脈拍、体温、呼吸、意識レベルのことを言います。何らかの疾患に かかった...

雪下ろし けがなく安全に
少雪のために みなさま、こんにちは 魚沼基幹病院救命救急センター山口征吾です。 当院は日本でも有数の豪雪地帯にあります。冬季には除雪関連外傷が多くみられます。おそらく日本で一番雪による人的被害を治療している病院だと思います。...

県央地域の医療体制改善のために
県央地域の医療再編・県央基幹病院の開院 これまで新潟県の県央地域は、中小規模の病院は多数 あるものの 核となる病院がなく、医師の高齢化・病院間の連携不足などが重なり救急医療体制が破綻しかけていました。2019年には救急車の域外搬送(県央地域の病院で診療できずに他地域に搬送...

集中治療、受けますか?
はじめに 新型コロナ感染症の大流行により世界中で入院病床が不足し、特に重症患者さんの入院する集中治療室(ICU)の不足により医療体制が危機的状態までひっ迫したのは記憶に新しいところです。 実は新潟県は人口あたりのICU病床数が全国最少(2022年12月時点で人口10万人...

院外心臓突然死ゼロを目指して
日本ではAED(自動体外式除細動器)の普及が年々確実に進んでいますが、院外心臓突然死で亡くなる方は年間8万人に迫る勢いで増加の一途をたどっています。交通事故死亡者は2,675人(令和5年)、新型コロナウイルス感染症で亡くなる方は年間およそ25,000人という数字と比べると、...

子どもと災害について
1995年の阪神淡路大震災をきっかけに、日本の災害医療の整備が始まりました。この時点では「一人でも多くの命を救うために」を考えなければならない段階で、「被災者としての子どものケア」はまだまだ後回しでした。その後2004年の中越地震、2007年の中越沖地震で被災した子どものメ...

トイレトレーラー配備を
令和6年1月1日に発災した能登半島地震では、道路状況が極めて悪化したため、ヒト・モノの出し入れが大きく遅延しました。全壊、半壊の家屋数が著しいために、避難者数が著しく増加、持続しました。また、(たとえ病院であっても)ライフライン(水、電気、など)が途絶したため、医療はもちろ...

健診医が考える健康へのアプローチ
循環器内科医として、心不全や血管再生治療をしていたときは、動脈硬化性疾患の終着駅にあたる心臓疾患や血管疾患の患者をたくさん診てきました。そして、15年前、大学を辞める時に、思い切って健康診断、人間ドックの世界に飛び込みました。格好よく言えば、終着駅に至らぬように始発駅の段階...

あなたのホクロは大丈夫?
がんの早期発見のためには、定期的ながん検診が重要であることは言うまでもありません。しかし、皮膚がんについてはどうでしょうか? 胃がん、肺がん、大腸がんなどの内臓にできるがんを見つけるにはレントゲンやCT、内視鏡などの検査が必要ですが、身体の表面に発生する皮膚がんは必ずどこか...

あまり知られていない話
耳鼻咽喉科というと中耳炎、アレルギー性鼻炎、めまい、慢性副鼻腔炎、扁桃炎といったところが代表的な疾患と思われます。これらが多いのは事実ですが、われわれが担当する頭頸部領域(外耳、中耳、鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、頸部、甲状腺などの総称)の悪性腫瘍(がん)の存在はあまり知られてい...

月経痛のはなし
女性には、男性にはない、悩ましい3つの時期があります。 (関係ないと思わず、男性はこれを理解して下さい) ① 月経前・月経期 ② 妊娠・分娩(授乳)期 ③ 更年期 子をもうけようとすれば、②はどうしても避けられません、夫(あるいはパートナー)の、家族の、社会のサポー...

開業医の役割とは
開業して17年になります。地域の中での開業医の役割について思っていることを話したいと思います。私は、元々外科の医者ですが、普段の一般診療の内容はほとんど内科です。元々草間医院は明治23年に祖父の父が外科医として開業しました(当時は草間病院)。代々医業をなりわいとしていました...

「たかが頭痛、されど頭痛」
長岡赤十字病院に奉職して、30年近くになります。併設されている長岡赤十字病院専門学校で、看護学生たちに神経内科の病気についての講義もしています。ある日、講義が終わった後、ひとりの女子学生が、「先生、私、看護実習の前に、必ずとっても頭が痛くなるんです」とやってきました。話を聞...

健康長寿に関わる「腸内細菌叢」
あなたが昨日部下を𠮟りつけたのは、本当にあなたがやってしまったことだったの? あなたが今日嫌だなあと思ったのは、本当にあなたが思ったことなのでしょうか? 実はあなたも気づいていない、あなたの中のもう一人のあなた、腸内細菌叢にあやつられているだけなのかもしれません。 ...


胃がんとピロリ菌と少子高齢化社会
小生が初めてその映画を見たのは、確か大学生のことだったと記憶しています。『生きる』は、1952年に公開された映画で、監督は黒澤明、主演は志村喬。無為に日々を過ごしていた市役所の課長が、胃がんで余命幾ばくもないことを知り、己の「生きる」意味を求め、市民公園の整備に注ぐ姿が描か...